虐げられた少女は闇の支配者に愛される。

紘side

朝ごはんを食い終わり、無愛の部屋に向かった。

「触らないで!!」

無愛の今までのような滑らかな透き通った声では無い、なにかに怯えるような震えた声が聞こえた。

扉を開けると、そこには両腕からワインレッド色の雫が出ていた。

"それ"は、無愛の腕だけじゃなく、顔や服にも飛び散っていた。

無愛に近づく度に無愛は下がる。

「やめて!!来ないで!!」

俺たちじゃない何かと重ねているような悲痛な声。