痺れる愛のピースサイン


すると、ある程度頭が出かかった時、助産師の小松田さんが「玄葉先生、臍帯巻絡です。」と言った。

「えっ?」
「二巻はしてるかと。」
「前回の健診では、巻き付いてなかったのになぁ。」

臍帯巻絡?
わたしは颯生の手を握り締めると、息を切らせながら「どうしたの?」と訊いてみた。

「あ、大丈夫だよ。心配しないで?赤ちゃんの首に臍の緒が巻きついちゃったみたいなんだ。それだけ元気に動き回ってたんだなぁ。」

そう言いながら、颯生はわたしを不安にさせまいと微笑んで見せた。

「赤ちゃんの心拍は問題ないので、このまま慎重にお願いします。」
「はい!」

そう話す会話が聞こえてきたが、わたしは余裕がなく、陣痛がくるたびにいきむのみ。

そして、そのまま何度かいきみ続け、どれくらい経っただろうか、、、

小松田さんが「頭出てきたよ〜!上手上手!あと、少しだからね!」と言ってくれて、あと少しだ!と思えた。

「あと2回いきめば産まれるよー!頑張ってー!」

小松田さんのその言葉と、わたしのそばで支え続けてくれている颯生のおかげで、わたしは取り乱すことなく、最後までいきむことが出来た。

すると、、、

「はい!もういきまなくていいよぉ!赤ちゃん産まれまーす!」

小松田さんがそう言って、骨盤に挟まった感覚から激しい痛みに切り替わり、赤ちゃんが出てくる感覚が分かる。

その時、、、

「オギャー!オギャー!オギャー!」

産まれた、、、泣いた、、、

わたしはその産声を聞き、涙が溢れ、颯生は「よく頑張ったな!頑張ってくれて、ありがとう!」と声を震わせながらわたしを抱き締めた。