「大丈夫か?」
わたしを心配してくれる颯生。
わたしは頷くと、俯き加減で「颯生、ごめんね、、、」と謝った。
「何で和花が謝るの?」
「だって、、、わたしのせいで、颯生の印象が、、、」
わたしがそう言うと、颯生は「そんなこと、俺は気にしてないよ?」と言い、それから「そんなことより、和花が傷付く方が心配だ。今は、自分の身体を一番大切しような?」と言うと、わたしの肩をポンッと軽く叩き、「じゃあ、俺も仕事に戻るな!」と駆け足で戻る途中、一瞬だけ振り向き、わたしに向け裏ピースを見せたのだった。
そんな颯生を見て、わたしは元気が出た。
そうだ、わたしは今一人の身体じゃない。
お腹に大切な守らなければならない命がいるんだ。
それに、わたしには颯生という心強い味方もいる。
そう言い聞かせながらわたしは、その後も颯生に健診をしてもらいながら働き続け、あっという間に産休に入る時期になってしまった。
この時期まで体調不良もなく、元気に仕事も休まずにこれたのは奇跡だ。
悪阻で苦しむ妊婦さんがたくさんいる中でわたしはとても有り難い環境で生活出来ていた。
ありがとう、赤ちゃん。
早速、親孝行をしてくれて。
そして産休に入り、産後に必要な物が一通り揃い、いつでも赤ちゃんを迎え入れる準備が整った38週と3日目の夜。
わたしはいつもと違うお腹の痛みを感じていた。
しかし、その日は颯生が当直で家には居なく、家にはわたし一人しか居なかった。



