痺れる愛のピースサイン


そして、わたしの不安は的中することになってしまう。

わたしの苗字が"玄葉"になったことにより、結婚した話は瞬く間に院内に広がり、なぜか妊娠の話を知っている人もいた。

滋院内と宙先生しか知らないはずなのに、、、

まぁ、話しを広げた人物は予想がつく。

すると、あまり話したことのないクラークの人たちが話し掛けてきた。

「大崎さん、ご結婚されたんですって?おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
「まさか、大崎さんが玄葉先生と結婚だなんて、みんなビックリしてますよ?大人しそうな顔して、結構肉食系だったんだね〜って。」

そう言って笑うクラークの、、、名札には"藤本"と書かれている彼女。

もう一人のクラークの人も「ビックリだよね〜。」と言っていた。

「しかも、妊娠してるんでしょ?デキ婚とかやるね〜!でも、ちょっと残念だなぁ。玄葉先生はそんな人じゃないと思ってたのに。」
「だよね、もっと誠実な人かと思ってたけど、やっぱりイケメンはみんな同じなのかぁ。」

勝手な話をするクラークたちにわたしは「ちょっと待ってください。わたしは何も言われてもいいですが、彼のことは、玄葉先生はそんな人じゃありません!だって、この妊娠は!」と言い掛けたところで、わたしの肩にポンッと手が乗るのを感じ、ふと見上げてみると、それは颯生だった。

「早速、噂が広がってるみたいですね。」

颯生は柔らかい口調でクラークたちに話しかけ、その二人は颯生の登場に少し焦っていた。

「あ、く、玄葉先生。ご結婚おめでとうございます。」
「ありがとうございます。何だか、妊娠したから責任を取るために結婚したような感じで噂が広がっているようですが、それは誰からそう聞いたんでしょうかね?僕たちは、元々結婚するつもりで同棲していました。それに、産婦人科で働いているなら、命を授かることがどれだけ奇跡なことか理解して働かれているんですよね?それに、母体にストレスをかけるのはよくありません。今後、そのような発言は控えていただけませんか?」

颯生が淡々と諭すように言うと、クラークたちは苦笑いを浮かべ、「あ、じゃあ、わたしたちは失礼しますね。」と慌てて去って行ったのだった。