「何でって、和花のことが好きだからに決まってるだろ?」
「で、でも、、、わたし、元彼の子を妊娠してるんだよ?」
「分かってるよ。でもそれは、俺が和花を嫌いになったりする理由にはならない。」
颯生は柔らかい口調でそう言うと、そっとわたしを抱き寄せた。
「俺はこれからも、和花に俺のそばに居て欲しいし、俺自身も和花のそばにいて支えていきたい。」
そう言って、颯生は一度身体を離し、涙でグチャグチャになったわたしの前髪を整えるように触れると「和花の子なんだから、俺は愛せる自信があるよ。」と言った。
「え、、、でも、、、」
「俺はもう和花を離すつもりはないから。絶対に。だから、、、一緒に頑張ろう?一緒に、、、そのお腹の子を育てていこう?俺が全力で支えるから。中絶する気なんてなかっただろ?産みたい、そう思ってるだろ?」
颯生の言葉にわたしは涙を流しながら頷き、颯生の胸に飛び込んだ。
そして、颯生はわたしを包むように優しく抱き締めると「和花のお腹に、もう一つの命があるのかぁ、、、。やっぱり、"子どもを授かる"って神秘的で奇跡なことだよな。その子は、、、血は繋がってないかもしれないけど、俺の子だ。」と言い、それから「俺たち、、、三人家族になろう?」と言ってくれたのだった。
颯生、、、本当は複雑だよね?
それなのに、そんな表情を少しも見せずに、わたしとの別れを選ばず、何なら一緒に頑張ろう?"だなんて言ってくれて、"三人家族になろう?"って、、、
それって、プロポーズの言葉じゃん。
颯生、あなたは、、、どこまで優しくて、懐が広いんですか?
普通に考えたら、簡単に言える言葉じゃないよ?
でも嬉しかった、、、
別れを覚悟してからの颯生の言葉は、わたしには勿体なすぎるほど温かかった。



