それから22時には歓迎会もお開きになり、颯生は相変わらずみんなに囲まれ、「玄葉先生、一緒に帰りましょうよ!」と誘われていた。
しかし、颯生は「いや、」と言うと、わたしの隣までやって来て、「俺は、大崎さんと帰ります!」と言った。
「えぇー、なんで大崎さん?」
「わたしたちじゃ駄目ですか?」
看護士たちからそう言われたあと、颯生は宙先生に「玄葉先生は、随分と大崎さんを気に入ってるんだね。」と言われていた。
「それは宙先生じゃないですか?」
「ははっ、生意気な研修医が入って来たなぁ。」
「実は偶然にも、俺が引っ越したマンションが大崎さんのマンションと同じだったんですよ。だから、帰るマンションが同じなんです。」
颯生がそう説明してくれると、「へぇ〜!凄い偶然!」「大崎さん羨ましい!」と言われたのだが、宙先生だけは納得いかないような表情で「偶然ねぇ〜。」と呟いていた。
そして、みんなそれぞれ迎えがあったり、タクシーで帰宅する中、わたしは颯生と同じタクシーに乗り、帰宅したのだった。
帰宅すると、「はぁ〜、疲れたぁ。仕事より疲れる。」と言いながら、颯生はソファーへと倒れ込んでいた。
「お疲れ様。質問攻めで疲れたでしょ?」
「うん、だって答える前に質問してくるし、ベタベタくっついてくるし、、、。でもそれより、」
「ん?」
「、、、宙先生と和花が話してるのに、嫉妬した。」
颯生はそう言うと不満そうな表情を浮かべ、「宙先生、、、絶対に和花に気あるよ。」と言った。
「え?まさか、そんなわけないじゃない。」
「いや、そんなわけある!あの感じは絶対そう!同じ男だから、分かる。」
そう言うと、颯生はソファーから身体を起こし、「俺、負けないから。」と真剣な表情でわたしを真っ直ぐに見つめて言った。



