痺れる愛のピースサイン


それからわたしは新しい眼鏡を購入してから、午後診療から出勤をした。

「急遽、半休いただてすいませんでした。」

わたしがそう言うと、その時に同じ受付担当をしていた先輩の西田さんが「ううん、大丈夫だよ。月曜程じゃなかったし。」と言ってくれた。

「それより、大崎さんが半休取るなんて珍しいよね。体調悪かったの?」
「いえ、眼鏡が壊れてしまったので、新しい眼鏡を買いに行ったんです。眼鏡が無いと生活に支障があるくらい目が悪くて。」
「そんな目悪いんだ!でも、何でコンタクトにしないの?コンタクトにしたら、大崎さんモテると思うよ!あ、でも玄葉先生にモテられたら困るからなぁ〜!」

西田さんはそう言って笑うと、会計の準備が出来た患者さんの対応をしていた。

コンタクトかぁ、、、
"玄葉先生にモテられたら困る"、、、

ってことは、颯生に気があるってことだよね。

まぁ、そりゃそうかぁ。

そう思いながら、わたしは受診に来た妊婦さんの対応をしてから、裏側の部屋に行きカルテを探した。

すると、「あ、大崎さん。」と呼ばれ、ふと声がした方を見ると、そこには颯生の姿があった。

「さ、、、玄葉先生。」

思わず颯生と言いそうになり、"玄葉先生"と言い直したが、何だか照れくさかった。

「無事に眼鏡買えたみたいだな。」
「うん、見えるようになったよ。」
「そりゃよかった!あ、でさ、No.0072312の松澤みのりさんのカルテどこにあるか分かる?」

颯生にそう言われ、わたしは自分が探していた棚とは別の棚から松澤さんのカルテを引き抜き、颯生に手渡した。

「さすが。」
「臨月の妊婦さんのカルテの場所は覚えておくようにしてるから。」
「助かるよ、のど、、、じゃなくて大崎さんらしいな。この松澤みのりさん、陣痛来たみたいで連絡あったから、これから来ることになってる。もし来院されたら、優先的に案内お願いします。」
「わかりました。」

そう会話をして、颯生は「カルテありがと!」と足早に戻って行った。