痺れる愛のピースサイン


そして休憩時間になり、わたしはロッカー室へと向かった。

すると、下向きがちに歩いていると、角を曲がった時に人影が見え、ぶつかりそうになり、わたしは慌てて足を止めた。

「あ、すいません。」

ぶつかるギリギリで相手も足を止め、そう言われたのだが、その声には聞き覚えがあった。

「えっ、、、」

目の前に立っていたのは、青い医療スクラブを着た背の高い男性。

わたしはゆっくりと顔を上げ、彼の顔を見上げた。

「、、、和花?」

先にそう言ったのは、彼の方だった。

「、、、颯生。」

わたしの目の前に立っていたのは、さっき看護士たちが噂していた"くろは"先生、、、

"まさか"の元彼の玄葉颯生だったのだ。

「え、和花、ここで働いてるの?」
「、、、うん。ここで受付してる。」
「そうなんだ、、、まさか、こんなとこで再会するなんてなぁ。」

颯生はそう言いながら、戸惑っているような、こそばゆいような表情で髪を片手でクシャクシャっとした。

颯生と会うのは、高校を卒業して以来だが、相変わらずの容姿端麗で、早速院内で"イケメン"と噂されるだけあるなぁ、と納得してしまった。