Love And Vivi.


「まさか、こんなとこで会うと思いませんでしたね。」

わたしがそう言うと、米原主任はいつものクールな感じで「そうだな。」とスラッと長い脚を組んだ。

「わたし、本当はこうゆうパーティー興味ないんですけど、母が勝手に予約してて。もう30なんだから、そろそろ彼氏の一人でも作りなさい!ってうるさくて、、、それで、昨日突然言われたので、仕方なく来た感じなんですよね。」
「、、、俺も。」
「えっ?」
「俺も同じ。姉さんが勝手に予約してて、無理矢理参加させられる羽目になったんだ。」
「そうだったんですね!」

米原主任が、自分のこと話してくれた!
話せば、普通に話してくれるんだぁ。

わたしは驚きながらも、会話が成り立つのか不安だったが故に、米原主任の返答に喜んでしまった。

「というか、夏梅さんって30なんだ。」
「はい。」
「27〜28くらいかと思ってたよ。」
「あー、よく言われます。」
「まさか、俺と同じ歳とはなぁ。」
「え、米原主任って30なんですか?」
「あぁ。」

そんな話の流れから勝手に親近感が湧き、わたしは仕事や社内の話もしつつ、私生活の話なんかも話させてもらった。

「米原主任って、お休みの日は何してるんですか?」
「土日は、基本的に中学のサッカーコーチをしに行ってる。」
「えっ!サッカーコーチ?!凄いですね!」
「別に凄くはないよ。ただ、サッカーが好きなだけだ。」
「米原主任がサッカー好きなんて意外です!」
「そうか?これでも、小学校から高校までサッカーやってて、背番号10番だったんだけどな。」

米原主任はそう言ったが、わたしはサッカーのことが全く分からず「10番って、凄いんですか?」と間抜けな質問をしてしまった。