え、あれって、米原主任?
めちゃくちゃ似てるけど、、、いや、まさかね。
そう思っていると、ある一人の女性が米原主任に似ている男性に声を掛けに行っていた。
しかし、どうやら男性の方が断ったらしく、女性は苦笑いを浮かべ、小さく一礼をするとトコトコと大勢がいる中に戻って行ってしまった。
あのクールで近寄り難い雰囲気、、、
眼鏡に足が長くて、スッとしたスタイルの良さ。
やっぱり米原主任だよね?
話したことないけど、思い切って話し掛けてみようかなぁ。
そう思い、わたしは椅子から立ち上がると、米原主任に似ている男性に恐る恐る近付き、距離2メートル先で「あ、あのぉ、、、」と声を掛けた。
すると、その人はふとこちらに顔を向け、わたしは確信した。
やっぱり米原主任だ!
「あ、間違ってたら失礼なんですけどぉ、、、もしかして、米原主任、ですか?」
わたしがそう尋ねると、その男性はクールな表情からハッとした表情に変わり「、、、もしかして、秘書課の夏梅さん?だっけ?」と言ったのだ。
「そうです!どうも、ほとんど初めましてみたいなもんですよね。」
わたしがそう言って笑うと、米原主任は「そうですね。」と言い、微かに笑った。
わっ、米原主任が微かにだけど笑った!
あのいつもクールな米原主任が、、、!
「あのぉ、隣、いいですか?」
わたしがそう訊くと、米原主任は「あぁ。」と答え、わたしは「失礼します。」と椅子一つ分を開けて、米原主任の隣に座ったのだった。



