最終的に試合は2-0で勝ち、準決勝に進めることになったらしい。
みんな抱き合いながら喜んでいて、わたしは最後までみんなの勇姿を見届けたくなってしまった。
「次、準決勝なんて凄い!次の試合もわたし、見に行っていいですか?!」
わたしがそう訊くと、米原主任は一瞬驚いたような表情を浮かべたが、すぐに笑顔になり「勿論。サッカーに興味が出てくれて嬉しいよ。」と言った。
それからみんなは片付けをし、ミーティングが終わると解散。
会場まで来るのは生徒たちだけで来るようだが、帰りは保護者の迎えがあり、それぞれ帰宅して行ったのだが、わたしが帰り際に「お疲れ様!」と声を掛けると、みんな揃って「お疲れ様でした!ありがとうございます!」と返してくれ、みんな良い子たちばかりだなぁと思った。
そして、わたしは自宅まで送ってもらう為に米原主任の車の助手席に乗り込むと、米原主任は「初めての中学サッカーはどうだった?」と訊いた。
「楽しかったです!正直、サッカーは興味なかったですけど、何か頑張ってるみんなの姿を見ているうちに試合自体を観るのも楽しくなってきて!まだオフサイドとか、全然分からないですけど、また観たい!って思いました。」
「良かった。そうなんだよなぁ、みんなが頑張ってる姿を見てると、こっちまで"頑張らなきゃなぁ"って気持ちにさせられるし、頑張ってる姿ほど輝いてるものはないよな。」
「本当、その通りです!わたしも頑張らなきゃって思ったし、元気を貰えました!」
わたしがそう言うと、米原主任は表情を綻ばせ「夏梅さんを連れて来て良かったよ。」言い、わたしはその言葉に少しドキッとしてしまった。
「そうだ、このあと時間ある?」
「はい、あります!」
「丁度昼時だし、何か食べに行かない?」
「はい!是非!」
そう言って、わたしは初めて米原主任とランチへ行くことになった。



