「そんで、両サイドにいる左サイドバックは背番号21番の坂本。あいつは今二年生なんだけど、三年生のキーパーが卒業した時の為にキーパーの練習もさせてる。でも、個人的にはキーパーよりフィールドで使いたい選手なんだよなぁ。」
「そっかぁ、三年生が卒業してからのことも考えないといけないんですね。」
「そうなんだよ。まぁ、今一年生でもキーパー経験者がいるから練習はさせているけど、本人はフィールド希望でさ。」
「なかなか厳しいですね、、、」
「うん、、、。そして、右側サイドバックが雄太。あいつは、、、まぁ、フィジカルだけはあるかな。」
そう言って、米原主任は難しい顔を表情を浮かべた。
「フィジカルだけは、って、、、それは、こう言っちゃ失礼ですけど、他はそうでもない、ってことですか?」
わたしが恐る恐るそう訊いてみると、米原主任は渋い顔で「まぁ、そうゆうことだ。」と答えた。
「じゃあ、何でスタメンに入ってるんですか?」
「それがなぁ、、、夏梅だから言うが、保護者が厄介な人たちなんだよ。」
「あぁ、、、そうゆうことですかぁ、、、」
「監督が機嫌取りしてしまうタイプの人だから、あーゆう人たちは余計に調子に乗るんだよな。俺はゴマすりとか嫌いなタイプだから、そんなことはしないけど。」
「わたしもです。ゴマすりとかご機嫌取りとか、する意味が分からないです。」
わたしがそう言うと、米原主任は微かに微笑み「だから、夏梅とは話が合うんだな。」と言ってくれた。
「え、米原主任、、、わたしと話しが合うと思っててくれたんですか?」
わたしの驚いた言葉に、米原主任はハッとすると、さっきまでの情熱的な雰囲気とは一変して、急にクールな感じ戻った。
もしかして、照れてる?
わたしは、初めて米原主任の可愛い一面を見られた気がして、嬉しかった。



