順調に仕事を終えた私は、サンチェス=ドマーニのショップへ向かった。
「宮島さん、いらっしゃいませ!」
「三上さん、ショッキングピンクのスーツをお願いします。佐藤さんの贈り物で……」
「あっ!承知いたしましたっ!」
三上さんは近くにいた店員さんを呼んで、すぐさま準備に取り掛かった。店員さんの動きから、佐藤さんの贈り物は最優先、最重要であることがよくわかる。これが水伊勢家の買い物の仕方なのだ。
「佐藤の贈り物」と言えば大丈夫だと言われて、サイズや届け先の住所などは教えてもらえなかった。ちょっと心配だったが、本当にそれだけで三上さんに伝わった。呆気に取られていた私のところへ、三上さんがやってきた。
「明日にはお届けできると思いますので、佐藤様へお伝えください。」
「わかりました。お願いします。」
私は三上さんにすべてを託してショップを後にした。なんだかメイドになった気分だ。
『ピンクのスーツ、三上さんに頼んでおきました。明日、届く予定だそうです。』
佐藤さんへ連絡して本屋へ向かった私は、いつも立ち読みしているファッション雑誌を手に取った。表紙はモデルのAkane。Akaneは一目惚れしたサンチェス=ドマーニのグリーンのワンピースを着ていたモデル。ワンピースを着ていたのがAkaneじゃなかったら、サンチェス=ドマーニに惹かれることもなかったかもしれないというくらい、今ではAkaneのファンだ。
「めっちゃくちゃ綺麗……」
Akaneが着ているのは、サンチェス=ドマーニの黒いドレス。このドレスは、以前購入した新作のワンピースと同じシリーズのもの。Akaneとお揃いのような気がしてテンションが上がる。表紙を開くと数ページにわたってAkaneが特集されていた。その中に、見覚えのある写真が何枚かあった。
「Akaneもクロードのモデルやってたんだ。」
海が見える公園は、佐藤さんの撮影場所と同じ。クロードのショップへ行ったとき、佐藤さんに気を取られて女性モデルを見ていなかった。この後クロードへ行ってAkaneのポスターも確認しておこう。
「ということは、佐藤さんはAkaneと撮影してるってこと?」
佐藤さんはAkaneと一緒に撮影しているなんて言っていなかった。撮影した日が違うのだろうか。それとも──ふとAkaneのプロフィールを読んだ私は目を見開いた。
『本名水伊勢あかね。弟は水伊勢グループの社長水伊勢龍司。』
「えぇっ!?」
大きな声が出てしまい私は慌てて口を押さえると、急いで雑誌を棚にしまってその場を離れた。
(佐藤さんはAkaneの弟!?)
私はクロードのショップにあるAkaneのポスターを見上げた。言われてみれば似ているような気がするけど、姉弟と言われてもよくわからない。どっちも綺麗だし、どっちも色気がある。頭がぼーっとしてきて私はそそくさと堂島屋を後にした。
「Akaneがお姉さんってことは、家に帰ったらAkaneがいるってこと?すごい家だなぁ……Akaneって普段なに着てるんだろ。部屋着とかあるのかな。パジャマも着るのかな。絶対おしゃれだよね。いいなぁ。私もAkaneと一緒の家に住んでみたいなぁ。」
駅へ向かう間、私の独り言は止まらなかった。
「宮島さん、いらっしゃいませ!」
「三上さん、ショッキングピンクのスーツをお願いします。佐藤さんの贈り物で……」
「あっ!承知いたしましたっ!」
三上さんは近くにいた店員さんを呼んで、すぐさま準備に取り掛かった。店員さんの動きから、佐藤さんの贈り物は最優先、最重要であることがよくわかる。これが水伊勢家の買い物の仕方なのだ。
「佐藤の贈り物」と言えば大丈夫だと言われて、サイズや届け先の住所などは教えてもらえなかった。ちょっと心配だったが、本当にそれだけで三上さんに伝わった。呆気に取られていた私のところへ、三上さんがやってきた。
「明日にはお届けできると思いますので、佐藤様へお伝えください。」
「わかりました。お願いします。」
私は三上さんにすべてを託してショップを後にした。なんだかメイドになった気分だ。
『ピンクのスーツ、三上さんに頼んでおきました。明日、届く予定だそうです。』
佐藤さんへ連絡して本屋へ向かった私は、いつも立ち読みしているファッション雑誌を手に取った。表紙はモデルのAkane。Akaneは一目惚れしたサンチェス=ドマーニのグリーンのワンピースを着ていたモデル。ワンピースを着ていたのがAkaneじゃなかったら、サンチェス=ドマーニに惹かれることもなかったかもしれないというくらい、今ではAkaneのファンだ。
「めっちゃくちゃ綺麗……」
Akaneが着ているのは、サンチェス=ドマーニの黒いドレス。このドレスは、以前購入した新作のワンピースと同じシリーズのもの。Akaneとお揃いのような気がしてテンションが上がる。表紙を開くと数ページにわたってAkaneが特集されていた。その中に、見覚えのある写真が何枚かあった。
「Akaneもクロードのモデルやってたんだ。」
海が見える公園は、佐藤さんの撮影場所と同じ。クロードのショップへ行ったとき、佐藤さんに気を取られて女性モデルを見ていなかった。この後クロードへ行ってAkaneのポスターも確認しておこう。
「ということは、佐藤さんはAkaneと撮影してるってこと?」
佐藤さんはAkaneと一緒に撮影しているなんて言っていなかった。撮影した日が違うのだろうか。それとも──ふとAkaneのプロフィールを読んだ私は目を見開いた。
『本名水伊勢あかね。弟は水伊勢グループの社長水伊勢龍司。』
「えぇっ!?」
大きな声が出てしまい私は慌てて口を押さえると、急いで雑誌を棚にしまってその場を離れた。
(佐藤さんはAkaneの弟!?)
私はクロードのショップにあるAkaneのポスターを見上げた。言われてみれば似ているような気がするけど、姉弟と言われてもよくわからない。どっちも綺麗だし、どっちも色気がある。頭がぼーっとしてきて私はそそくさと堂島屋を後にした。
「Akaneがお姉さんってことは、家に帰ったらAkaneがいるってこと?すごい家だなぁ……Akaneって普段なに着てるんだろ。部屋着とかあるのかな。パジャマも着るのかな。絶対おしゃれだよね。いいなぁ。私もAkaneと一緒の家に住んでみたいなぁ。」
駅へ向かう間、私の独り言は止まらなかった。



