翌日から晃太の部署も忙しくなり、早めに出勤しなければならなくなった。一緒に出勤することができなくなって、日中も忙しくて話せない。そして毎日残業だった。週末、晃太は撮影場所へ向かう磯山の車の中でうとうとと居眠りをしていた。
撮影場所はマンションの一室。あかねは心配そうな顔をして駆け寄って来た。
「晃太、大丈夫なの?少し休んだら?」
「……大丈夫。できるよ。」
見るからに疲労困憊だが、晃太は休もうとしない。思えば、晃太は昔から周囲に何を言われても、自分に任されたことは最後まで真面目にやっていたように思う。遊び呆けていた印象が強過ぎて忘れていた。あかねは完成したばかりのクロードの冊子を晃太に差し出した。
「はい、これ。サンプルできたわよ。」
「表紙は姉ちゃんじゃないの?」
冊子の表紙は晃太だった。
「晃太の写真が好評なの。これも本当はもっと先に出る予定だったけど、早めに出すことにしたんですって。第一弾は明日出るみたいよ。」
「明日!?」
数ページしかない薄い冊子だが、自分の写真が大きく掲載されているのは気味が悪い。冊子を受け取った晃太は眉間に皺を寄せた。
「免疫ついたかな……」
「え?」
「彼女に写真を送ったんだけど、免疫つけてるって言われたんだよね。」
あかねはぷっと吹き出した。
「免疫っ!ははは!晃太の写真が薬になったのね!良かったじゃない。晃太の写真のおかげでインフルが治って。ははは!」
「そうなのかな……」
晃太はやっぱりよくわかっていなかった。
「今日も撮ってあげるから送りなさいね。」
「もういいよ。」
「そうそう、今日この後別の撮影入れちゃったから早く終わらせてね?」
「また出た。パワハラー」
「ほら早くメイク行って隈消してきなさい。」
疲労困憊の晃太だったが、カメラを向けられればしっかりと役割を果たして、女性陣は順調に骨抜きにされていく。要望される通りに撮影に応じていた晃太だったが、次第に表情が曇り始めた。
「姉ちゃん……この感じ……やんなきゃだめ?」
「嫌なの?」
「ちょっとね。」
「彼女と一緒にいるのを想像したら?」
「でもこれは……」
「彼女は晃太と一緒にいたらどんな顔するのかしらね……そう考えてもできない?」
「……できる……かも……」
「じゃ、やりましょう!」
あかねに乗せられて撮影を終えた晃太だったが、あかねから送られてきた写真を見て言葉を失った。
「やっぱりこれは送れないよ。嫌われたくない。」
「ただの撮影報告よ?重く考えることじゃないわ。」
今日は『おうちデート』のシチュエーション。だからありとあらゆる妄想をしながら撮影した。
「彼女の免疫強化のためよ。じゃ、私次の現場行くから。またね~」
あかねがマネージャーを連れて消えると、晃太は磯山の来る前へ乗り込んであかねから送れと言われた写真をじっと見つめた。見れば見るほど送ってはいけない気がする。
(そうだ、健斗に見てもらおう!)
帰宅した晃太は、前髪を下ろして健斗のBARへ向かった。
撮影場所はマンションの一室。あかねは心配そうな顔をして駆け寄って来た。
「晃太、大丈夫なの?少し休んだら?」
「……大丈夫。できるよ。」
見るからに疲労困憊だが、晃太は休もうとしない。思えば、晃太は昔から周囲に何を言われても、自分に任されたことは最後まで真面目にやっていたように思う。遊び呆けていた印象が強過ぎて忘れていた。あかねは完成したばかりのクロードの冊子を晃太に差し出した。
「はい、これ。サンプルできたわよ。」
「表紙は姉ちゃんじゃないの?」
冊子の表紙は晃太だった。
「晃太の写真が好評なの。これも本当はもっと先に出る予定だったけど、早めに出すことにしたんですって。第一弾は明日出るみたいよ。」
「明日!?」
数ページしかない薄い冊子だが、自分の写真が大きく掲載されているのは気味が悪い。冊子を受け取った晃太は眉間に皺を寄せた。
「免疫ついたかな……」
「え?」
「彼女に写真を送ったんだけど、免疫つけてるって言われたんだよね。」
あかねはぷっと吹き出した。
「免疫っ!ははは!晃太の写真が薬になったのね!良かったじゃない。晃太の写真のおかげでインフルが治って。ははは!」
「そうなのかな……」
晃太はやっぱりよくわかっていなかった。
「今日も撮ってあげるから送りなさいね。」
「もういいよ。」
「そうそう、今日この後別の撮影入れちゃったから早く終わらせてね?」
「また出た。パワハラー」
「ほら早くメイク行って隈消してきなさい。」
疲労困憊の晃太だったが、カメラを向けられればしっかりと役割を果たして、女性陣は順調に骨抜きにされていく。要望される通りに撮影に応じていた晃太だったが、次第に表情が曇り始めた。
「姉ちゃん……この感じ……やんなきゃだめ?」
「嫌なの?」
「ちょっとね。」
「彼女と一緒にいるのを想像したら?」
「でもこれは……」
「彼女は晃太と一緒にいたらどんな顔するのかしらね……そう考えてもできない?」
「……できる……かも……」
「じゃ、やりましょう!」
あかねに乗せられて撮影を終えた晃太だったが、あかねから送られてきた写真を見て言葉を失った。
「やっぱりこれは送れないよ。嫌われたくない。」
「ただの撮影報告よ?重く考えることじゃないわ。」
今日は『おうちデート』のシチュエーション。だからありとあらゆる妄想をしながら撮影した。
「彼女の免疫強化のためよ。じゃ、私次の現場行くから。またね~」
あかねがマネージャーを連れて消えると、晃太は磯山の来る前へ乗り込んであかねから送れと言われた写真をじっと見つめた。見れば見るほど送ってはいけない気がする。
(そうだ、健斗に見てもらおう!)
帰宅した晃太は、前髪を下ろして健斗のBARへ向かった。



