生徒会室もやっぱりきれい。初めて来た場所にきょろきょろと辺りを見回していると、風ちゃんと雷ちゃんが氷牙様に駆け寄っていった。「あ、いたいた氷牙さん!」「秋奈クラフトに入るんで手続きお願いします。」雷ちゃんが何故か自慢げに氷牙先輩に言う。そうすると、氷牙先輩は一瞬残念そうな顔をしたあと、すぐに元の無表情に戻り、「そうか。」と一言言って手続きをしてくれた。「じゃ、待ってる間に顔合わせしとこうか。」「えーと、秋奈は誰知ってる?」と風ちゃんが聞いてきたので、「朝氷牙様には会ったよ。」と伝える。「じゃ他の人ね。」そう言って風ちゃんと雷ちゃんは何やら椅子が沢山あるとこをろ指さした。椅子は...全部で12脚?「今居るのは〜一条紅牙、暁静牙の二人だね。」「あ、今いるところだと、静牙だけ1年ね。」そう雷ちゃんと風ちゃんが言うと、牙さんが椅子から降り、こちらに歩んできた。「はい。1年のブレイクの副総長をやらせていただいてます、暁静牙と申します。先輩は編入生なのでしょう?私は進学してきただけなので、あの難しい試験を突破した事、本当に尊敬します。ご指導の程よろしくお願いします。」と、軽く頭を下げてきた。私なんかに敬語、その上礼なんて...そんなことさせてはいけない!「三神秋奈と申します。未熟者故何も教えられる身ではございませんが、精一杯やらせていただきます。」私はそう言いながら昔奥様に教わった礼儀作法を思い出しながら静牙様よりも頭が低くなるように頭を下げる。「は、はいよろしくお願いしますね」となぜか慌てたような暁さんの言葉を聞いたあと、雷ちゃんが「今日は他の1年と2年はいないんだよな、、、、、、今度挨拶させるね。」まぁ、こんなに少ない訳はないよね。「あと何人いらっしゃるの?」「あと、、、、、7人だったかな。」7人、、、、、風ちゃんたちも合わせて12人なんだね。「あ、でも一人不登校?みたいな感じでいるのかいないのかよくわかんないやつが一年の副総長だからいつも一席空いてて、実質11人だね。」「あ、氷牙先輩。寮の部屋どこ空いてます?」「確認する。」不登校?いるのかいないのかよくわかんない、、、?どういうことなんだろ、、、「、、、、、、まずいな。生徒会寮は龍牙の隣しか空いてない。」どうやら私が考え込んでる間に会話は進んでいたらしく、私の入る予定の寮に何かアクシデントが見つかったらしい。「げ。生徒会長サマ!?」「僕達の近くは、、、、」「開けられないだろう。あそこは幹部階だ。」えっと、どうしたんだろう。「風ちゃんどうしたの?」そんなに慌てて、、、「えーと、秋奈の隣なんだけどね、、女嫌いで有名な総長なんだよねぇ〜」、、、ええ〜!!!「ふ、風ちゃん!私こんなんだけど一応女だよ!」「いやそんなことは百も承知なんだけど、、、あ、待ってヤバ!ごめん!今日用事あったんだった!すいません先輩、帰ります!秋奈もばいばい!」「ああ、また明日。」「風ちゃん!雷ちゃん!また明日!」「ほんとにごめんー!!!!」と叫びならがら何度も何度も心配そうにこちらを振り向きながら二人はどんどんと遠ざかっていった。まあどうせ私に興味なんかもつわけはないのだけれども、、、ただ、嫌いな女性と隣になってしまう総長様が可哀想...と思っていた私は、次の氷牙先輩の爆弾によって一瞬思考がフリーズした。「やばいな。相手は異性が話しかけてきただけで退学にした人間だ。」は、話しかけただけで?何を考えていらっしゃるんだろう?!「まあ大丈夫だ。あいつはその女が猫なで声で話しかけたからやったわけだし、、、秋奈ならきっと大丈夫だ。」、、、、な、何が大丈夫なんだろう?!