ここが、、、、、、東雲学園!
突然な2年生からの編入だったため、色々準備をしているうちに7月からの登校になってしまった。この桜並木が咲いてるところ、見たかったなぁ、、、きっととても美しい光景だったであろう桜並木を眺めながら、校舎に向かって歩いていく。事前に届いた書類に、初日には職員室に向かうように、と書いてあった。
「時間、、、早すぎるかな?ゆっくり歩いていこう、、、」
*******
んー?えーっと、、職員室、、、どこだろう?ここの校舎、三柴のお屋敷よりもすごく広くて大きい、、、、、と書類の中に入っていた地図をくるくる回しながら考え込んでいると、誰かの声が聞こえた。「おい。お前か?前代未聞の編入生は。」突然の気配とかかった声に、ぱっと顔を上げる。目の前に見えたのは、切れ長な目元と水色の髪を持った眉目秀麗な男性。その色彩も相まって、全体的に涼し気な雰囲気が漂っている。ってん?前代未聞?どういうことなんだろう、、、?「無礼を承知でお尋ねしますが、前代未聞、というのはどういう意味でしょうか?」と私が聞くと、「は?お前知らないでこの学園を受けたのか?いいか?この東雲学園は編入不可能の学園と言われている。編入ができないわけではないけれど、並の教育を受けていない者はこの学校には入れない。つまり、形骸化した制度、ということだ。」目の前のお方のお話では、この学園は偏差値がものすごく高く、最上級の教育を我が子に受けさせたい、と両親が考えた幼等部からの持ち上がりしかいないのだそうだ。並大抵の覚悟では入れないことを示すため、編入試験は海外の著名な大学に受かるのも夢じゃないくらいの難易度で作られているらしい。「しかも、そのテスト全ての満点で合格しなければいけない。裏口入学も不可能だ。そのため、この学園に編入できたものはおらず、編入不可の絶対領域と呼ばれているんだ。」そ、そうなんだ。「突然だったけど受かっててよかったぁ。」と私が安堵の息を吐くと、「お、おいまさかお前なんのテスト勉強もなしにあのテストを受けて、受かったのか?」とめの前のイケメンさんが言ったので、慌てて弁明する。「え、そんな訳ないですよ。」「そ、そうだよな、「1夜漬けで頑張りました!」「は!?1夜漬け?試験の範囲は中学校のものではなく高校、下手すると大学の範囲にまで及ぶんだぞ!?」「はい。大変でした。いつもは半日で終わらせるのに不安で丸一日かかってしまいまし、、、、」うう。己の未熟さが身に沁みたよ、、、心の弱さもまた己の未熟さの一つ。心身ともに鍛え上げなくては!そう私が神妙な顔で言うとイケメンさんが、「クッ、、、ハハハハ!」え、えーっと、、?そのイケメンさんはしばらく笑い続けたあとに、「はぁ、、、こんなに笑ったのは久しぶりだ。お前、面白いな。」と言った。あれ?なんかさっきよりこのお方の声、優しい?「ああ。自己紹介をしていなかったな。俺は雨宮氷牙《あまみやひょうが》だ。氷牙でいいぞ。」「はい。氷牙様。」よかった、、、名乗っていただけた、、、ふとした拍子にお名前を読んでしまいそうだったから、、調査資料に乗ってるなんて気持ちが悪いだろうし、、、最初は浅慮なプライドが高い方かと思ったけれど、本当は懐深い方なのかもしれない。今後の学校生活も、この雰囲気に乗って顔をつなぐことができそうで、嬉しくなって笑みがこぼれた。「お前は?、、、、悪かった。名前も聞かずに、、、」少し落ち込んだような氷牙様が、無作法を恥じるように話す。、、、私にまで気を使ってくれるなんて、、、流石名家の嫡男様は違う。「、、、三神秋奈と申します。これから、どうぞよろしくお願いします。」「っ!あ、ああ仲良くしよう。」ここに来て初めてのご縁!絶対に大切にしなくては、、、、お嬢様方、喜んでくださるかな、、、浮かれていた私は後ろで氷牙先輩の「なんなんだあいつ、、、、?何であんなに所作が綺麗なんだ、、、、?」なんていう声は耳に入ってこなかった。
突然な2年生からの編入だったため、色々準備をしているうちに7月からの登校になってしまった。この桜並木が咲いてるところ、見たかったなぁ、、、きっととても美しい光景だったであろう桜並木を眺めながら、校舎に向かって歩いていく。事前に届いた書類に、初日には職員室に向かうように、と書いてあった。
「時間、、、早すぎるかな?ゆっくり歩いていこう、、、」
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んー?えーっと、、職員室、、、どこだろう?ここの校舎、三柴のお屋敷よりもすごく広くて大きい、、、、、と書類の中に入っていた地図をくるくる回しながら考え込んでいると、誰かの声が聞こえた。「おい。お前か?前代未聞の編入生は。」突然の気配とかかった声に、ぱっと顔を上げる。目の前に見えたのは、切れ長な目元と水色の髪を持った眉目秀麗な男性。その色彩も相まって、全体的に涼し気な雰囲気が漂っている。ってん?前代未聞?どういうことなんだろう、、、?「無礼を承知でお尋ねしますが、前代未聞、というのはどういう意味でしょうか?」と私が聞くと、「は?お前知らないでこの学園を受けたのか?いいか?この東雲学園は編入不可能の学園と言われている。編入ができないわけではないけれど、並の教育を受けていない者はこの学校には入れない。つまり、形骸化した制度、ということだ。」目の前のお方のお話では、この学園は偏差値がものすごく高く、最上級の教育を我が子に受けさせたい、と両親が考えた幼等部からの持ち上がりしかいないのだそうだ。並大抵の覚悟では入れないことを示すため、編入試験は海外の著名な大学に受かるのも夢じゃないくらいの難易度で作られているらしい。「しかも、そのテスト全ての満点で合格しなければいけない。裏口入学も不可能だ。そのため、この学園に編入できたものはおらず、編入不可の絶対領域と呼ばれているんだ。」そ、そうなんだ。「突然だったけど受かっててよかったぁ。」と私が安堵の息を吐くと、「お、おいまさかお前なんのテスト勉強もなしにあのテストを受けて、受かったのか?」とめの前のイケメンさんが言ったので、慌てて弁明する。「え、そんな訳ないですよ。」「そ、そうだよな、「1夜漬けで頑張りました!」「は!?1夜漬け?試験の範囲は中学校のものではなく高校、下手すると大学の範囲にまで及ぶんだぞ!?」「はい。大変でした。いつもは半日で終わらせるのに不安で丸一日かかってしまいまし、、、、」うう。己の未熟さが身に沁みたよ、、、心の弱さもまた己の未熟さの一つ。心身ともに鍛え上げなくては!そう私が神妙な顔で言うとイケメンさんが、「クッ、、、ハハハハ!」え、えーっと、、?そのイケメンさんはしばらく笑い続けたあとに、「はぁ、、、こんなに笑ったのは久しぶりだ。お前、面白いな。」と言った。あれ?なんかさっきよりこのお方の声、優しい?「ああ。自己紹介をしていなかったな。俺は雨宮氷牙《あまみやひょうが》だ。氷牙でいいぞ。」「はい。氷牙様。」よかった、、、名乗っていただけた、、、ふとした拍子にお名前を読んでしまいそうだったから、、調査資料に乗ってるなんて気持ちが悪いだろうし、、、最初は浅慮なプライドが高い方かと思ったけれど、本当は懐深い方なのかもしれない。今後の学校生活も、この雰囲気に乗って顔をつなぐことができそうで、嬉しくなって笑みがこぼれた。「お前は?、、、、悪かった。名前も聞かずに、、、」少し落ち込んだような氷牙様が、無作法を恥じるように話す。、、、私にまで気を使ってくれるなんて、、、流石名家の嫡男様は違う。「、、、三神秋奈と申します。これから、どうぞよろしくお願いします。」「っ!あ、ああ仲良くしよう。」ここに来て初めてのご縁!絶対に大切にしなくては、、、、お嬢様方、喜んでくださるかな、、、浮かれていた私は後ろで氷牙先輩の「なんなんだあいつ、、、、?何であんなに所作が綺麗なんだ、、、、?」なんていう声は耳に入ってこなかった。
