ページのすみで揺れていたもの

頭がズキズキする。
喉も乾くし、寒気もまだ消えていない。

「……今日、今すぐは……動けないかも」

藤澤「うん、分かってる。今日はゆっくり寝ろ」

その返答は即答で、
私の限界をちゃんと理解してくれていた。


「明日、熱測って。下がってたら……病院、行こうと思います」

私がそう言うと、藤澤は小さくうなずいた。

藤澤「それなら……一応、これ。明日持っていけるようにと思って、準備してきた」

そう言って、バッグから小さな封筒を取り出す。

藤澤「赤井の名前で書いてある。簡単な紹介状と、今までの症状の経過もまとめてある」

私はそれを受け取って、封筒の表をぼんやり見つめた。

「……ありがとうございます。やっぱり、骨髄検査になるんですよね?」

藤澤「たぶんな。白血球の数値がずっと高いままだし、
 いまの症状と経過を見ると、確定診断のためには必要になる」

一瞬、また不安が胸に湧き上がった。
でも、もう“聞かなかったこと”にはしなかった。

「……わかりました」

そう小さく返すと、藤澤はそっと頷いた。

藤澤「全部急がなくていい。明日の体調次第で決めろ。」

それだけ言って、
彼は再び私の額に冷えたタオルを乗せた。


藤澤「あと、明日俺もついていく」

「え?」

藤澤「その顔。どうせ“ひとりで大丈夫”って言うと思ったけど、
 今日みたいな高熱の後で、いきなり動いて倒れられても困る。
 それに、検査になったら、説明受けたり付き添ったり、ひとりじゃきついだろ」

言い方はいつも通りぶっきらぼうだけど、
その中にちゃんと“気遣い”があるのが分かった。