電話を切ったあと、
私はしばらくスマホを胸に抱えたまま、動けなかった。
“助けて”と言ってしまった。
ずっと言えなかったその言葉を、
やっと口に出せた。
でも――
(……いいのかな、私なんかが)
また、あの葛藤が胸を締めつける。
自分から連絡を絶って、
嘘をついて、距離を置いて――
あの人の顔を見たくなくて、避け続けていたのに。
「……都合、よすぎるよね」
声に出すと、自分の情けなさに思わず目を伏せた。
でも、情けないのに、
それでも今、来てほしいと思っている自分がいた。
わがままだってわかってる。
あの人にしてみれば、
私はただの“手のかかる患者”でしかないかもしれない。
それでも、
もうひとりでこの熱と孤独には勝てなかった。
ソファに体を預ける。
冷たいスポーツドリンクのペットボトルを手に取って、
けれど栓を開ける気力もなくて、ただ指をかけるだけ。
時計の針の音が、やけに大きく響いていた。
(……本当に、来てくれるかな)
あの夜のように。
私が言葉を失っても、
声をかけ続けてくれたあの時みたいに。
不安と期待が交錯する。
でもその時、ふと心の奥で、
あの人の声が静かに再生された。
『俺は、お前が頼ってくれたのが嬉しかった』
その言葉が、
さっきの自分の一歩を、
ほんの少し肯定してくれた気がした。
今だけは――信じたい。
“来てくれる”という、あの一言を。
私はしばらくスマホを胸に抱えたまま、動けなかった。
“助けて”と言ってしまった。
ずっと言えなかったその言葉を、
やっと口に出せた。
でも――
(……いいのかな、私なんかが)
また、あの葛藤が胸を締めつける。
自分から連絡を絶って、
嘘をついて、距離を置いて――
あの人の顔を見たくなくて、避け続けていたのに。
「……都合、よすぎるよね」
声に出すと、自分の情けなさに思わず目を伏せた。
でも、情けないのに、
それでも今、来てほしいと思っている自分がいた。
わがままだってわかってる。
あの人にしてみれば、
私はただの“手のかかる患者”でしかないかもしれない。
それでも、
もうひとりでこの熱と孤独には勝てなかった。
ソファに体を預ける。
冷たいスポーツドリンクのペットボトルを手に取って、
けれど栓を開ける気力もなくて、ただ指をかけるだけ。
時計の針の音が、やけに大きく響いていた。
(……本当に、来てくれるかな)
あの夜のように。
私が言葉を失っても、
声をかけ続けてくれたあの時みたいに。
不安と期待が交錯する。
でもその時、ふと心の奥で、
あの人の声が静かに再生された。
『俺は、お前が頼ってくれたのが嬉しかった』
その言葉が、
さっきの自分の一歩を、
ほんの少し肯定してくれた気がした。
今だけは――信じたい。
“来てくれる”という、あの一言を。

