君が笑ってくれたから

今日は夏祭り。
 
金曜日の学校の授業はいつもより早く感じる。
 
週の終わりだからかな。
 
今日、部活は無いのですぐに帰って、浴衣着て、髪の毛をセットしたりしておきたい。


「ただいま!」

「おかえりー」
 
学校から帰って家に入りリビングに行くとお母さんが晩ご飯の準備をしていた。

そして…

「おかえり、永茉。」

「お、お兄ちゃん…」

「今日は、高校終わるの早かったから。」

「そうなんだ」
 
お兄ちゃんの琉偉はソファーに座っていた。
 
永茉は自分の部屋に行き、荷物を置いてお祭りに行く準備を始めた。
 
まだ時間はあるけど、早く行きたかった。
 
コンコンと部屋のドアをノックする音が聞こえた。

「なにー?」

「入っていい?」
 
それはお兄ちゃんの声だった。

「いいよ」
 
するとドアを開けてお兄ちゃんが入ってきた。

「どうしたの?」

「俺も祭り友達と行ってくる」
 
その報告いる?と思ったけど、お兄ちゃんって友達いるっけ?

「男子?女子?」

「男子が俺合わせて3人、女子が2人」

「どういう関係?」

「部活一緒。男子友達に来いよって言われたから」
 
どういう関係って変なこと言ってると思ったけど、普通に応えてくれた。


その後、準備が終わり家を出ようとした。

「永茉、一緒に祭りのどこら辺まで行こ」

「うん!心配してる?」

「ちょとね。それと…永茉、めっちゃ可愛いよ」
 
お兄ちゃんがそういう事言うの久しぶりに聞いた。
 
ミディアムより少し長めの髪をふたつにギザギザに分けて、耳の後ろくらいのところでツインお団子にしてみた。
 
浴衣は、ピンク色で可愛らしい感じだ。

「えへっ。そう?ありがと…」

「照れんなよ。行くぞ」

「うん!」
 
お母さんに「いってきます」って言って、家を出た。
 
夕方なのにまだ蒸し暑い。