君が笑ってくれたから

「えーまっ?なんで呼んだのか言ってよー?」
 
霞は、にやにやしながら永茉に言う。

「なんで…」

「言ってみなよ?応援してる」

「ちゃんと来るよね?」

「うん。私は永茉の味方だよ」
 
霞と永茉は、小声で話してから、永茉は深呼吸をした。

「あのね…もし、良かったらこの3人で夏祭り行かない?」

「いいよ!今年はその話まだしてなかったもんね!」
 
霞が、今知ったように合わせてくれた。

 
ちなみに夏祭りは、毎年この3人で行っているのだ。
 
いつもなら華鈴が話して行くことになる。
 
なぜか今年はそれがなかった。

 
永茉と霞は、華鈴の反応を待つ。

「別にいいけど…。」

「やったー!」

「良かった。」
 
そして、3人で夏祭りに行く事は決まった。

「25日でいいよね?」
 
霞が言ってくれた。

「うん」
 
永茉と華鈴は頷いた。

「華鈴、誘ってくれてよかったね!」

「うん。また、みんなで行けるの楽しみ」
 
霞と華鈴が、笑顔で話してる。
 
永茉は廊下の方を見た。
 
そこには恵の姿がある。
 
恵は「バレた!?」って顔をしている。
 
永茉は初めから恵が見ていることを知っていた。
 
霞が、教室に入ってくる時に後ろに恵がチラッと見えたからだ。
 
永茉は恵に微笑んだ。
 
後で「ありがとう」って伝えなきゃ。
 
誘う事になったのは恵のおかげだから。
 
あと、霞にも。

「よし、今日は帰ろかっな」
 
華鈴が、言う。

「そうだね!3人で帰ろっ!」
「うん。帰ろう」
 
永茉は霞に小声で言った。

「ありがと」

「へへっ。どういたしまして」
 
霞はいつも笑顔が明るいな。
 
廊下に出ると恵はもう居なかった。
 
帰っちゃったかな。
 
帰ったら連絡してみよう。
 
ちゃんとお礼を言わなきゃ…