「じゃあ1時間後に迎えに来る。お祖母様に任せれば間違いはないから」
「えっ、あの……」
千鶴を店に残し、伊織はどこかへ行くらしい。不安になって伊織を振り返ったが、彼は笑顔で手を振って店を出ていってしまった。
奈津子は「まったく、伊織ったら強引ねぇ」と呆れた声で笑う。
「あの子、きっと浮かれているのね。さぁ、伊織をびっくりさせるくらい綺麗に変身しましょう。どんな形のドレスがいいかしら」
「すみません。私、あまり詳しくなくて」
千鶴が正直に伝えると、彼女は笑顔で頷いた。
「それなら、私がいくつか選んでみるわね」
奈津子は少し身体を引き、真剣な顔つきで千鶴を見つめる。その視線にたじろぎつつ、じっと静止していると、彼女は店内のラックから数点のドレスをピックアップして千鶴の前に並べた。
「どれも私の自信作だし、間違いなくあなたに似合うわ」
店内の奥で試着をさせてもらい、鮮やかな青色のドレスに決めた。



