「あの、ここは?」
「これから君に魔法をかけてくれる場所だ」
豪華な金の装飾のついた黒い門をくぐり、緑に囲まれた小道を進むと、まるで小さなお城のような建物が現れた。ひとりでは到底入れそうにない店構えに、なんとなく腰が引ける。
「気負わなくて大丈夫。オシャレな魔女がひとりでやってる小さな店だよ」
扉を開けながら、伊織がクスッと笑った。
(……魔女?)
疑問に首をかしげつつ彼にエスコートされ店内に入ると、外観に負けないオシャレな空間が広がっていた。壁の色は柔らかいミントグリーン、中央には壁と同じ色の大きなテーブルがあり、その上にはアクセサリーやバッグ、靴などが並べられている。
何体もあるトルソーにはそれぞれ素敵なドレスが着せられており、テーブルを囲むように置かれたラックには、たくさんのドレスや上質そうな服がかけられている。
「わぁ、素敵」
千鶴が目を輝かせていると、「久しぶりに顔を出したかと思ったら、魔女とはご挨拶ね」
という女性の声が聞こえた。



