(初孫だから、すごく楽しみにしていらっしゃっただろうに。さすが伊織さんのご両親だな。優しさが沁みる……)
だからこそ千鶴はできるだけたくさん陽茉梨の写真や動画を撮り、伊織の両親へと送ってもらっていた。来週には彼らをひだかに招いて食事をするため、そこで陽茉梨のお披露目をする予定だ。
自宅に着くと、一週間で随分と様変わりしたリビングに驚いた。
ソファの隣の真新しいベビーベッドに陽茉梨を寝かせ、改めて部屋を見回す。
キッチンからよく見える一角の床に可愛らしいうさぎ柄のラグが敷かれ、壁際には背の低い白い棚が設置されていた。ぬいぐるみや絵本、ブロックなどのおもちゃが整頓して収納してあり、気が早すぎるが三輪車まである。
さらに小さな家型のハンガーラックには陽茉梨サイズの洋服がたくさんかけられていて、どれも可愛くて見入ってしまいそうだ。
「これ……」
「生まれたのが女の子だって聞いて、うちの両親と千鶴のご家族から。服は祖母の手作りだから、陽茉梨とお揃いで千鶴のぶんもあるよ」
伊織が苦笑するほどたくさんのお祝いの品に囲まれ、千鶴は胸がいっぱいになった。



