「ネット上の悪評についてはすぐにこちらで対処する。息子の処遇やお詫びについても、改めて連絡をさせてほしい」
どうすべきか戸惑う千尋に寄り添い、伊織が口を開いた。
「わかりました。彼女に代わって、私が窓口を務めます」
「あぁ、よろしく頼みます。知らせてくれて、本当にありがとう。今回の件はもちろん、過去についてもきちんと調べるつもりだ。申し訳ないが、今日はこれで失礼させていただくよ」
踵を返したダニエルの背中は、ひだかを出ていく時の溌剌とした後ろ姿とはかけ離れている。
「あのっ……!」
千鶴は咄嗟にダニエルを呼び止めた。
気にしないで、とは言えない。この数日間、悪評レビューに悩まされたのは千鶴や家族だけではなく、常連客にも心配をかけてしまったのだから。
それでも――。
「ぜひ、またひだかにいらしてください! いつでもお待ちしております」
エリックの上司であり父親である彼は、責任を感じて今後は店に来ることを控えるつもりではないかと感じた。その証拠に、彼は驚いた表情で千鶴を見つめている。



