彼の指が火照った肌を滑るたびに吐息を漏らし、彼から与えられる快感に身体を捩った。
「今日は、最後まで抱くよ?」
伊織が服を脱ぎ、均整の取れた身体を晒す。すでに何度も極めさせられた千鶴は息も絶え絶えになりながら、ようやくひとつになれる喜びに頷いた。
「嬉しい……」
無意識に彼の胸元に頬ずりすると、千鶴を頭から抱えるように抱き込む伊織が小さく呻いた。
「本当に、可愛すぎて困る……。壊したくないのに、めちゃくちゃにしたくなる」
「いいです、それでも」
「俺は嫌だ。千鶴の初めてをもらうんだ、大切に抱きたい」
コツンと額を合わせ、しっかりと視線を絡めると、潤んでぼやけた視界にも彼の優しさと熱情が伝わってくる。
いよいよ本当に抱かれるのだと自覚すると、身体の奥がきゅんと疼いた。



