「どうして俺が土曜日にしか君に触れなかったか、わかる?」
千鶴を軽々と抱いたまま寝室に向かう彼に尋ねられ、答えられないままじっと彼を見上げた。
「土曜日が近づくたびに意識しただろう? そうやって、どんどん俺のことしか考えられなくなればいいと思ってた」
「私は……なんで最後までしてくれないんだろうって思ってました。もしかしたら、私なんかじゃそんな気に――んんっ」
入籍以降、ずっと抱き続けていた疑問は、最後まで言わせてもらえなかった。明かりのついていない寝室のベッドに下ろされ、そのまま唇を奪われる。
「俺がどれだけ耐えてきたか、これから嫌ってほど教えてあげる」
「あ……」
「好きだよ、千鶴」
「私も、です」
何度もキスを交わし、肌に触れ、少しずつ快感の熾火を灯される。いつの間にか部屋着を脱がされ、下着も取り去られてしまった。
毎週少しずつ慣らされた身体は伊織に従順で、恥ずかしいのに欲しくてたまらない。



