首筋に顔を埋めてぐりぐりと鼻をすりつけられると、くすぐったくて仕方ない。 「んっ」 思わず漏れた甘ったるい声に、千鶴自身がビクンと反応した。 「可愛い声。もっと聞きたい」 「やっ、そこでしゃべらないでくださいっ」 わざと耳元で囁かれ、背中から腰までゾクゾクとした感覚が走り抜ける。 「……今日は金曜日だけど、もういいか」 そう呟くと、伊織は千鶴を勢いよく抱き上げる。 「きゃっ! い、伊織さん?」 驚いて彼の胸元にしがみつく千鶴の顔を覗き込み、スッと目を細めた。