策士な外交官は計画的執愛で契約妻をこの手に堕とす


注文を受け、先付けから順に提供していくが、その間も恵梨香から刺すような視線を感じていた。

酒器の説明をしても「そんなの、どれでもいいわ」と突っぱねられ、一品ずつ料理の説明をしようとしても「長ったらしい説明は食事の邪魔ってわからない?」とシッシッと手で追い払われてしまう。

嶋田は料理や酒を気に入ってくれたのが表情から見て取れるが、恵梨香はムスッとしながらただ口に運んでいるだけ。

それでも千鶴は笑顔を崩さず、丁寧な接客を心掛けていた。

(ひだかに来てくださったからには大切なお客様に違いないんだから、しっかりおもてなししなくちゃ)

そう心の中で自分を奮い立たせていた矢先。

旬の野菜や魚の天ぷらを置く際、恵梨香が急に肘を不自然に伸ばし、千鶴の手首を弾くようにぶつかってきた。

テーブルに落ちた皿が、ガシャンと耳障りな音を立てる。