策士な外交官は計画的執愛で契約妻をこの手に堕とす


先週末に出かけた際に彼が『冬服を見たい』と言うので、一緒にショッピングに出かけた。

男性の服を選ぶなんてあまり経験がないため、千鶴はドキドキしつつも楽しんで伊織に似合うコートやニットのカーディガンを選んだ。

その後、伊織は千鶴にもたくさんの冬服をプレゼントしてくれて、そのうちの一着であるライトグレーのニットワンピースと、彼いち押しだった白いロングコートを着用している。

コートは上質で肌触りがよく、普段のコーディネートをワンランク格上げしてくれる気がする。今日はワンピースと合わせて、甘めの雰囲気に仕上げた。

「可愛い。やっぱりすごく似合う」
「ありがとうございます。大切に着ますね」

十一月最後の日曜日。ふたりは伊織の運転する車で映画館へと向かった。なにかと千鶴を優先して色んなところへ連れて行ってくれる伊織に少しでも楽しんでほしくて、今日は千鶴から提案してみた。

「千鶴がアクション映画を観たいなんて、意外だったな」

映画館のシートに並んで座るなり、彼が肘掛けの上で手を重ねてくる。軽いスキンシップにドキドキしてしまい、千鶴は必死に会話に集中しなくてはならなかった。