(本当に、伊織さんと結婚したんだ)
見たことのないほど大きなサイズのベッドにそっと下ろされる。カーテンが開いたままの寝室は、月明かりが入ってほのかに明るい。
「もう少し、触れてもいい?」
恥じらいつつもこくんと頷くと、千鶴の後頭部に手を添えた伊織が覆いかぶさってきた。押し倒されながら、大きな手が頬から首筋、胸元へと辿っていく。
膨らみを確かめるようにパジャマ越しに撫でられ、千鶴は濡れた吐息を漏らした。
初めて好きになった人と結婚初夜に結ばれるのは、なんて幸せなのだろう。
緊張で潤んだ瞳で彼を見上げながら、千鶴は夫となった伊織の頬にそっと手を添えた。



