今日はあなたを困らせたい

その次の日。

私はいつもよりも早く起きると、学校の制服に身を包んだ。


“俺が守るから”

その言葉を信じてみようと、思ったんだ。


「行ってきます。」

答える事のない玄関に向かって、一応挨拶。

鍵を掛けて、エレベータに乗り、マンションの玄関口まで着いた。


「おはよう。」

そこには、いつはずのないタカさんが、立っていた。

「タカさん……迎えに来てくれたの?」

「うん。まあ…」

頭をポリポリと掻きながら、タカさんは私の隣を、歩き始めた。


「もしかして、毎日ここに来てた?」

「……一応。」

「どのくらい?」

「ここ二週間くらい。」

「二週間?」

二週間前って言ったら、私がタカさんと、公園で会った日からだよ?


「嫌にならなかったの?毎日、私が朝出て来なくて。」

「そうだな。嫌になって、止めようと思った日もあったけれど……」

タカさんは、優しそうに私を見つめてくれた。