今日はあなたを困らせたい

「……家にいても、一人だし。友達もいないし……」

虚しくなって、一緒に頼んだジュースの氷をかき混ぜながら、作り笑いをした。

「作ればいいさ。」

「どうやって?」

「簡単だよ。友達になろうって、その一言だけだ。」


その一言を口に出すのに、どれだけの勇気が必要か、私は知っている。

その一言を口から出したって、友達になれるかどうか、分からない事も、私は知っていた。

でも、“簡単”。

タカさんが言うと、本当に簡単に聞こえた。


「学校に来たらどうだ?遠藤。」

「学校に?」

タカさんは、突然学校の事を、言い出した。

今まで、そんな事、微塵も感じさせなかったのに。

「無理だよ。今までまともに行ってないんだし。」

「これから、休まず来ればいい。」


私は何だか可笑しくなって、笑いが止まらなくなった。

「遠藤?」

「だって1年の時からだよ?授業受けても、内容が分からないって。」