今日はあなたを困らせたい

駅の脇にある小さな神社に着いたのは、待ち合わせの時間を、10分程過ぎた頃だった。

「ヤバイ……相手の人、来てるかな。」

神社の周りを見渡す。

いた。

小さな小道の方に、スラリとした男の人が立っていた。


「あの~。もしかして……」

すると後ろから、荒い鼻息が聞こえてきた。

「君が、シホちゃん?」

振り返ると、私の3倍も幅が有りそうな、油ギッシュなおじさんが立っていた。

無意識に後ずさり。

「可愛いね~。それじゃあ、おじさんと……ってヒッ!!」

「えっ?」

何事かと思って後ろを向くと、私の真後ろに、タカさんが!!


まさか!

あの小道に隠れてた人、タカさん!?


「おじさ~ん。高校生に手を出すのは、犯罪ですよ~」

「す、すみませ~ん!!」

「あっ、ちょっと!!」

引き止める事もできず、今日のお小遣い稼ぎはなし。

「あ~の~ね~。」

私はタカさんを軽く睨んだ。