今日はあなたを困らせたい

怯むどころか、何とも思わない?

うっそ!


「それにしてもな。あの家庭環境じゃ、遠藤の気持ちもわからないでもない。」


その言葉に、私はカチンッときた。


なに、こいつ。


「だけどな?家庭環境が恵まれていないのは、世の中で君だけじゃない。他にもたくさんいるが、真面目に生きているヤツもいる。」


全部知っているような顔して。

偉そうにお説教?

そう言うの、一番迷惑なんですけど。


「お生憎様。」

「えっ?」

そう言う同情めいた事を言えば、私が悲しそうな顔をするとでも、思ったの?


「私、あなたが思っているような不幸な少女でも、なんでもないですから。ご心配なく。」

私は髪をサラッと、後ろに振り払って、あいつに背中を向けた。

これで、あいつも二度と、私のところへ訪ねて来ないわ。

教師なんて、そんなもん。