今日はあなたを困らせたい

あいつが出したモノは、私が去年まで通っていた高校の書類。

ばっちり名前が入っている。

「あなたが高校の職員だって言うのは、分かったわ。だからって、私の担任かどうかは……」

「これは?」

次に出して来たのは、私のクラスメイトの名前と、自分の名前。

「ばっちり?」

自分が持って来たモノが、証拠になって嬉しいのか、あいつはニコニコしている。


「一体、何なの?」

「だ~か~ら~。俺は遠藤を真っ当な道に、連れ戻しに来たんだ。言わば、神様?」


いや!

全然違う!

こいつは悪魔だ!


「まあまあ。立ち話もなんだから、座ろうか。その為に、公園のベンチにしたんだし。」

「結構です。」

「疲れるだろ。ずっと立ってたら。」

「私、若いんで。」

これでどうだ!

高校生にこんな事言われたら、社会人は太刀打ちできないでしょ?

「じゃあ、いいや。俺も若いし。」