先生、それは取材ですか?

「先生?」

「……なに?」

「料理、来ましたよ」

橘が私の皿にそっと料理を置いてくれる。

(……うわ、なんか紳士っぽい)

「先生?」

「……っ、なんでもない!!」

落ち着け私!! これはただの仕事の食事!! そう言い聞かせながら、私はフォークを握る。

でも、橘と向かい合って食事をするこの空間が、なんだか妙に落ち着かなかった——。