「こんなこと言った覚えないんだけど!?」
「先生の言葉を最大限いい感じにまとめたんでしょうね」
「勝手に意味深にするな!!」
「でもこれで、先生の作品の“リアルな取材”に注目が集まるわけですね」
「だから、それが問題なんだってば!!!」
「先生、最近ますます有名になってますし、もう後戻りできませんよ」
「……」
「なんならテレビ出演のオファーも来てるみたいです」
「テレビ……!?」
さすがにそれは無理!!
「大丈夫ですよ、先生。バッチリサポートしますんで」
「……お前が余計なこと言わないならな……」
「さて、それはどうでしょう」
橘は悪い笑みを浮かべる。
「おい、ちょっと待て」
「先生の“リアルな取材方法”について、みなさん気になってるみたいですよ?」
「絶対しゃべるなよ!? 絶対に!!!」
……こうして、私はますます有名になってしまうのだった。



