先生、それは取材ですか?

なんとなく、想像できる。

橘はいつも仕事に全力だし、私の作品にもめちゃくちゃ真剣に向き合ってくれてる。そりゃ、恋愛より仕事を優先するタイプだろう。

「まぁ、先生には関係ない話ですよ」

「……そうだけど」

「ていうか、先生こそどうなんです?」

「へ?」

「先生の恋愛事情、聞いてないですよね?」

「わ、私は……」

「……お、なんか怪しいですね」

じっと見つめられ、なぜか心臓が跳ねる。

「……別に、大したことないし」

「ふーん?」

「っていうか、私は仕事が恋人だから!!」

「うわ、出た。そういうやつ」

「な、なにそれ!!」

「いや、先生ってほんと恋愛経験少なそうですよね」

「う、うるさい!!!」

「まぁ、それなら僕がもっと色々教えてあげますよ?」

「なっ……!?」

「取材として」