すると――

ピンポーン♪

インターホンが鳴った。

「……誰?」

ヨロヨロと玄関に向かい、ドアを開けると、そこには――

「こんにちは、先生」

橘だった。

「!?!?!?」

驚きすぎて、ドアを勢いよく閉める。

「ちょっ!? 先生!?」

「なんで!? なんでここに!?!?」

「いや、原稿の進捗が心配で……つい来ちゃいました」

「おいぃぃぃぃ!!!!!」

叫びながらもう一度ドアを開けると、橘がニコッと微笑んだ。

「先生、大丈夫ですか? すごい顔色悪いですよ」

「大丈夫なわけあるか!!!」

「……じゃあ、手伝いましょうか?」

「は?」

橘はさらっと言った。

「取材の続きをしたほうが、描きやすくなるんじゃないですか?」

「…………」

「……先生?」

「…………帰れぇぇぇぇぇ!!!!///」

こうして、私の地獄の原稿週間が幕を開けた――。