朝。

目が覚めると、そこはちゃんとベッドの上だった。

「……橘、本当に運んでくれたの……?」

昨夜の記憶はぼんやりしてるけど、確かにあのまま寝落ちしたはず。
あいつ、意外と優しいんだよな……

「……あ」

枕元に、そっと置かれたコンビニのコーヒー。
メモが添えられている。

「お疲れ様でした。また地獄の締め切り前にお会いしましょう」

「……」

思わず笑ってしまう。

(……まぁ、悪くない)

そんなことを思いながら、私はゆっくりと起き上がった。