「……私は……」
どうしたいのか、自分でもわからない。
昨夜のことは、確かに自分から望んだ。けど、それがただの“取材”だったのか、それとも別の感情があったのか――まだ整理できてない。
「先生?」
橘がゆっくりと顔を覗き込む。
「……」
その顔をまともに見られなくて、私は布団をぎゅっと握った。
「……昨日のこと、後悔してない。でも……」
「でも?」
「……これから、私たち、どうなるの?」
ようやく絞り出した言葉に、橘は少し考えるように視線を落とした。そして、ふっと小さく笑う。
「先生はどうしたいんですか?」



