低く囁かれた瞬間、全身が熱くなる。 「そ、それは……」 ダメだ、冷静になれ。これはあくまで取材で―― 「椎名先生、逃げないでください」 橘の手が、私の腰にそっと回る。 「ほら、ちゃんと感じてください」 指先が、スルッと肌をなぞった。 「んっ……」 自分の声に驚いて、思わず口を押さえる。 「……へぇ、先生って、こんな声出すんですね」 「っ……!」 顔が熱い。心臓がうるさい。 「……先生、取材なら、最後までしません?」 「……っ」 ダメだ、頭がくらくらする。 このままじゃ――