「……で、次回作はどうします?」
「……このタイミングでそれ聞く!?」
「いや、担当として当然の流れですよ? “担当編集とくっつくエロ漫画家の話”とか、出せそうじゃないですか?」
「真顔で言うな!! ……甘めの描写でぶん殴るよ???」
「……それ、もう漫画にしていいですか?」
「おまえな……」
いつも通り、橘は私のことをからかう。
でも、それが嬉しい。
橘がそうやってふざけるのは、たぶん、私に気を許してるからで。
私も、そんなふうに笑ってくれる橘が、ずっと好きだったから。
——3年かけて紡いできた物語は、ここで完結。
でもふたりの関係は、ようやく、始まったばかりだった。



