先生、それは取材ですか?


「……ん……?」

ふと、目が覚めた。

(……何か、違和感が……)

頭がぼんやりする。まだ夢の中にいるみたいな感覚。

(あれ……ここ、どこ……?)

——違う。

私の部屋じゃない。

(えっ……ちょ、待って待って待って!?)

慌てて周りを見渡すと——

「……おはようございます、先生」

すぐ隣に、橘がいた。

(え、え、えええええええ!?!?)

「な、なんで!? ちょ、待って、状況がわからない!!!」

「それはこっちのセリフなんですけど……」

「はぁ!?!?」

どう見ても、ここは橘の部屋だった。ベッドも私が寝てるのは間違いなく橘のもの。

(うそ……なんで……!? 私、昨日ちゃんと自分の部屋に……)

「先生、何も覚えてないんですか?」

「……え?」

「昨夜、急に先生が僕の部屋のドアをノックして……」

「はぁ!? 私が!?」

「それで、僕が開けたら、先生がふらふらしながら入ってきて——」