紫禁嬢─魅せられし夜





翌週。


この日はサヤが、左京や風香ら後輩たちの単車の改造を手伝う為、ルシファーからほど近い場所にある解体屋の跡地へと出向いていた。






「そっち押さえてろよー」



「うっす」



「フンッ!‥‥あれ、曲がんねえ。

フヌーッ!!」







ここは元々、解体屋だった場所なのだが、営業しなくなって空き地になっていた所をメイファンが所有者に話を通して借りている。


店の裏口から外へ出ると広くて外壁に囲まれた場所へ出るのだが、外からは何も見えないので族車をイジるのには適した場所なのだ。







「あ、ヤベッ。変な曲がり方した。

まあいっか」



「いや、よくないっすよ。

ちゃんとやって下さいよ」



「疲れた。あと自分たちでやれよ」







左京の単車のハンドルに鉄パイプを突っ込み、力技でハンドルを絞っていたサヤは、雑な仕事を終えて私の所へ来て一服を始めた。







「サヤさーん、火どうぞー」



「ん?サンキュー」







私の隣で改造を眺めていた後輩は、サヤのタバコに火をつけた。







「智子だっけ?あんたは単車ないの?」



「ないっすけどー、セイラさんに流しの時は車運転しろって言われたっす~」



「ふうん」







智子は左京たちが連れてきた女で、風香やリリカと同い年。


一見、気の利く後輩に見えるが、そこは左京たちの知り合い。単に年上に取り入るのが上手く、ずる賢い奴だ。







「サヤさん、左右のバランスおかしいんすけど、これどう落とし前つけてくれるんすか」



「あんたねえ、そんなナメた口叩いてるとアンリさんが黙ってないよ」



「ザコサヤ発言だね」