紫禁嬢─魅せられし夜





薫子と別れた私たちは、駅に向かって歩き出した。







「さあて、向こうは上手くいってるかな」








歩き出してすぐ、メイファンが呟いた。







「そういえば、エミリって奴みたいなのがメイファンの好みってのは分かったけどさ、なんでネネにこだわるの?

ああいう硬派な奴って、薬とかボッタクリとか嫌うタイプでしょ」



「そうだね」



「使えないじゃん、メイファンの仕事に」







フフッと笑いながら歩きタバコを始めるメイファン。







「逆だよ。ネネは使える」



「そうかなあ」



「ああいう義を貫くタイプっていうのは、極端から極端に転ぶから飼い慣らしたら強いよ。

左京より悪い人間にだってなれる」



「ふうん」








この街の不良から見たネネは最強。


メイファンから見たネネも最強。



けど、その中身は全く異なる物だと今の説明で理解し、メイファンがネネにこだわる理由をようやく知る事が出来た。








「そろそろヤルんでしょ、焔と再戦」



「どうしよっかなあ、タイマンだとアンリも負けそうだしなあ」



「いやいや勝てるし‥。

そもそもタイマン張る必要あるの?」



「数だけじゃなく、個でも負けたとなれば、向こうだって納得しやすいでしょ」



「たしかに。ああいう奴らだしね」







それがもし、メイファンより弱い私を相手に負けたとなれば、あの頑固者もさすがに参りましたとなるかも知れない。


シノギを手伝わない私にとって、唯一の仕事である戦闘くらいはちゃんと貢献してあげよう。








「よし、じゃあ次は私がネネとタイマン張るよ」



「本来は親衛隊長の仕事じゃないんだけどね。

次はアンリに任せるよ」



「オッケー」