紫禁嬢─魅せられし夜





二人は無言のまま会計を済ませると、そのまま何事もなく店を後にした。






(!‥‥笑った?)






去り際、髪の長い方の女の横顔が一瞬だけ笑っていた様に見えた。







「どうしたの、アンリ」



「‥いや、別に」






その直後だった、

店の外から急に、単車のエンジンがかかる音が響き渡った。







「‥‥ハッ?」






サヤを始め、仲間や私たちは一斉に外へ視線を向けた。






「これ‥私の単車の音じゃねえ?」



「キー付けっぱなしにしてたの?」



「族車を盗むバカなんていないでしょ‥‥」





サヤがそう言って立ち上がり、慌てて外へ飛び出すと、仲間たちもスグに後を追って外へ飛び出した為、私も最後に外へと出た。






「あ、お客様‥お会計‥‥」


「え!あたしが払うの!?」