紫禁嬢─魅せられし夜




──翌月。


11月に入ってすぐのこの日、私たちは地元のボーリング場に、メイファン達や風香らの10人程で遊びに来ていた。







「メイファンやらないの?」



「やったことないし、爪折れそうだから遠慮するよ」



「やったことないの?

ボーリングブームの、この時代に」



「うん」







仲間になってしばらく経つが、未だにメイファンは謎が多く、たまに本気か冗談か分からない様な発言もする。








「セーラ、唐変木ってなに?」



「言っても分からない奴、みたいな」



「ふうん」







時折、本を読みながらこうやってセイラに、日本人なら誰でも分かるような事を聞く。








「腹踊りってゆうのは?」



「腹に顔書いて踊るやつ」



「ちょっとやってみせて」



「‥それは命令なのか?

つーか、どんな本読んでんだよ‥」







おそらく中国から来たのだろうが、それにしては日本語が流暢すぎる。

それなのに抜けている所は抜けている。


これまでそれとなく探りを入れる様な会話をした事はあるが、重要そうな部分はいつもはぐらかされてきた為、私もあまり聞かなくなった。








「次、アンリさんの番っすよ」



「あたしトイレ行くから、リリカ代わりに投げといて」



「わかりました」



「ガーター出したら殺すから」



「‥‥‥‥」