紫禁嬢─魅せられし夜





そして、翌週の土曜日。



深夜、紫禁嬢はメイファンを先頭に国道へ出ると、市内中心部を目指して走り出した。







「パトカー付くの初めてだね」







国道に出てしばらく走ると、パトカーが後方に1台張り付き、サヤが振り返って確認した。






「ケツモチは風香たちか」



「必要なさそうだけどね、こんだけ台数いて道路埋め尽くしてりゃ」








後方の仲間をボケーッと眺めていると、新車で購入したLTD(Z400LTD)に乗るセイラが下がって来た。








「サヤ、お前らも前の方に来い。

なるべく縦に広がって、メイファンの写真を撮らせんな」



「あ、うん」







セイラはそう言って更に下がり、後ろの方を走る仲間にも同じ事を伝えに言った。








「写真とか撮られんの?」



「凄い光り方するから撮られたら分かるよ。

夜だし」



「あ、メイファン自分だけマスクしてる」








飛行機の離陸音みたいな地響きを鳴らし、先頭を飄々と走るメイファンは、ちゃっかりマスクをして対策していた。








「メイファーン、なんで素顔隠すの~?

せっかくの美人が台無しだよ~」







そう言って冷やかすと、メイファンは左手でマスクを下げて微笑を見せた。








「ファンになられてもしつこそうだからね」



「多分、世界一しつこい職業だよ」