しばらく他愛のない話をしていると、ふと思い出したかの様にメイファンはバッグから財布を取り出した。
「はいこれ、今月のお小遣い」
「?」
メイファンはテーブルの上に、三万円をスッと置いた。
「前に言ってた手当てってやつ?」
「今はまだ少ないけど、下の奴らが働けば働いた分だけ、幹部や親衛隊に回す金も増えるって仕組み。
サヤもとりあえず、今回は三千円ね」
「え、私も貰えんの?ラッキー」
私はテーブルに左ヒジを付き、顔を手に乗せた状態から、目の前のお札を右手の指でメイファンの前にスーッと戻した。
「いらないよ、あたしは」
「それは助かるよ。と、言いたいところだけど、それは下の奴らの士気に関わるから受け取ってもらわなきゃ困るかな」
「‥ああ、そういう事ね。
つまり、私らや親衛隊が金を多く貰ってる姿を見せれば、下の奴らは上に上がりたくてシノギを頑張る。
結果、メイファンのフトコロも暖まるって訳か」
「まあ、そんなとこ」
年上の女からならともかく、タメの女から金を貰うってのは、やはり抵抗がある。
「なら受け取った事にしてよ。
あたし別に金に困ってないし」
「それが漏えいしたら、私の信頼はガタ落ち」
「知らん知らん知らーん。
いらないったら、いらない。
受け取れってんなら紫禁嬢やめる」
「‥‥‥‥」



